「クレーム対策」の説明文、誰のために書いていますか?中古せどりのコンディション説明と”普通の買い手”のこと

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この記事でわかること

これは何かを断定したいという話ではなく、日々いろいろなセラーさんの商品説明文を眺めていて、ふと感じることについての、半分独り言のような話です。Amazonやメルカリで中古品を探していると、「すり替え防止対策店です」「傷については説明済みですので、その点をご理解のうえでご購入ください」といった、どこか身構えたような一文に出会うことがあります。悪意があって書いているわけではないのは分かります。でも、その一文は一体、誰に向けて書かれているのだろう、と考えてしまうことがあるのです。

「すり替え防止対策店です」という一文に、感じること

「当店はすり替え防止対策店です。商品のシリアルナンバーをすべて控えています。」——こうした一文を説明文に添えているセラーを、時々見かけます。狙いは明確で、悪意ある購入者による「すり替え」、つまり手元にある壊れた商品や別の粗悪品と中身を入れ替えて返品するような行為への牽制でしょう。実際、こうした一文があることで、「この店は手を出しにくそうだ」と考える人が一定数いる可能性は否定できません。多少なりとも抑止効果はあるだろうと思います。

ただ、AmazonのFBA(Amazonの倉庫から出荷・配送まで行う仕組み)を利用している場合、セラー自身が梱包から購入者への引き渡し、返送されてきた商品の受け取りまでを直接手元で管理しているわけではありません。返送された商品の中身が本当に元のものかどうかを、出品者側が完全に確認しきる手段は、実はそれほど多くないのが実情です。つまり、この一文があっても、やろうと思えばすり替え自体は起こり得るというのが現実で、抑止効果はあっても、完全な防御にはなっていません。

そう考えたときに気になるのは、この一文が、すり替えなど考えてもいない大多数の購入者の目にどう映るか、ということです。「疑われている」という感覚をどこかで与えかねない一文を、わざわざ全員に向けて掲示していることになりはしないでしょうか。

傷の説明と「ノークレームノーリターン」、”保険”をかけすぎていないか

似たようなことは、コンディション説明そのものにもよく見られます。例えば傷の状態を説明したうえで、「上記の説明をご確認いただいたうえでのご購入となりますので、細かな傷等によるクレームはご遠慮ください」といった一文が添えられているケースです。特にメルカリのような個人出品が多いプラットフォームでは、こうした”念押し”がよく目につきます。

もう一つ、メルカリの個人出品でよく見かけるのが「ノークレームノーリターンでお願いします(NCNR)」という一文です。理不尽な理由での返品だけは勘弁してほしい、という意図はなんとなく分かります。ただ、たとえ個人であっても、商品を販売してお金を受け取る以上、「クレームも返品も一切受け付けません」という宣言はさすがに乱暴だろうと思います。実際、メルカリ自身がこの種の記載を禁止行為と定めており、たとえ出品情報にNCNRと書かれていても、その記載自体が無効とされています(ECセラーラボ)。当然ながら、Amazonでこの文言を目にすることはまずありません。書いたところで効力を持たない、ということが徹底されているからです。

個人が趣味の延長で出品している場合、クレームをできるだけ避けたいという気持ちは、正直なところ理解できなくはありません。一件のクレーム対応にかけられる時間も、精神的な余力も限られているでしょうから。

ただ、これを事業として継続的に行っているセラーの説明文で見かけると、少し印象が変わります。事業としてやっている以上、一定数のクレームや理不尽な要求は”コスト”として想定の範囲内に置いておくくらいのスタンスのほうが、かえって信頼感につながるのではないか、と個人的には思うのです。

結局、誰を見て説明文を書いているのか

ここまでの2つの例に共通しているのは、どちらも「クレームをつけてくる可能性のある、ごく一部の人」を主な読み手として意識して書かれている、という点です。もちろん、理不尽なクレームをつけてくる人や、詐欺的な行為に及ぶ人が世の中にゼロだとは思いません。一定数存在するのは事実でしょう。

しかし、実際に商品を購入する人の大半は、ごく普通に、欲しいものを探しているだけの人です。その大多数に向けて書かれるはずの説明文が、ごく一部の”困った人”を強く意識した、どこか身構えた・事務的なトーンになってしまっているとしたら、それは本来届けたい相手にとって、あまり心地よいものではないはずです。

Amazonの返品のしやすさは、実は”安心して買える”仕組みでもある

Amazon(特にFBA)は、購入者にとって返品が非常にしやすいプラットフォームです。「注文を間違えた」「気に入らなかった」といった、いわば自己都合の理由でも、基本的に問題なく返品を申請できる仕組みになっています。売る側からすれば「それはさすがにないだろう」と思う場面もあるでしょう。ただ、これは裏を返せば、購入者が安心して商品を選べるための仕組みでもあります。「もし違ったら返品すればいい」という前提があるからこそ、購入者は思い切って購入に踏み切ることができるのです。

出品者側が独自にNCNRのような厳しい返品条件を設定することは、Amazonでは実質的にできません。出品者はAmazon自身の返品ポリシーと同等かそれ以上の対応を提供する必要があるとされており、独自にハードルを上げることは想定されていないのです(株式会社そばに)。事業としてAmazonというプラットフォームに乗る以上、「購入者に不満があれば、基本的には返品を受け入れる」という前提そのものが、すでに土台として組み込まれているとも言えます。

曖昧な防御姿勢は、実は”クレームに弱い”

さらに言うと、こうした防御的な一文は、肝心の「クレーム対策」としても、実はそれほど強くありません。Amazonのマーケットプレイス保証(かつてはA-to-Z保証と呼ばれていました)は、「商品が説明と著しく異なるか」を、客観的で測定可能な相違があるかどうかで審査します。逆に言えば、説明文の中身が具体的であればあるほど、購入者側も出品者側も「何が事実として合意されていたか」を確認しやすくなる、ということです。

「経年劣化によりご了承ください」「細かな傷はご容赦ください」といった、包括的で曖昧な一文は、一見すると自己防衛のように見えて、実際には何が”合意された状態”だったのかをかえって曖昧にしてしまいます。Amazon自身のコンディションガイドラインも、抽象的な免責文言ではなく、欠損している付属品や傷の状態を具体的に記載することを求めています(ガイドライン違反のリスクについては、コンディション説明文の書き方を扱った別記事で詳しく解説しています)。つまり、”具体的に書く”ことこそが、結果的に一番の防御になっているということです。

クレームは、事業をしている以上「甘んじて受ける」くらいでいい

ここまで見てきたように、防御的な一文は、大多数の普通の購入者にとっては良い印象を与えにくく、肝心の少数の相手に対しても、実はそれほど有効な防御にはなっていません。だとすれば、大げさな予防線を張るよりも、商品の状態を具体的に、誠実に伝えることに集中したほうが、結果的には理にかなっているはずです。

私自身、これまで何度もクレームを受けてきました。中にはかなりきつい言葉を投げかけてくる購入者もいます。ただ、実際に対応してみると、真摯に説明し、必要であれば謝罪もして向き合うと、最終的には相手側も態度を和らげてくれるケースが多いという実感があります。思っていたものと違う、という状況に直面すると、つい頭に血が上って冷静さを失ってしまう人は少なくないのだと思います。中には「騙された」とまで感じてしまう人もいるでしょう。それでも、真面目に事業として向き合っている姿勢が伝われば、大ごとにはならないことがほとんどです。

もちろん、返送されてきた商品が明らかに別物だったり、一部が欠けていたりしたこともあります。ここまでくると、正直「事故に遭った」と思うしかありません。ビジネスを長く、大きく続けていく以上、こうした出来事はどこかで避けて通れないものなのだと思います。ただ、それを”絶対に許さない”という強い意志を説明文の中で前面に出しすぎることは、得策ではないのではないか——そんな風に思うのです。

多少のクレームや理不尽な要求は、事業を続けていく中で一定数発生するもの、くらいに捉えておく。そのくらいの構えのほうが、説明文にも自然と余裕が生まれ、大多数の普通の購入者には、かえって安心感として伝わるのではないでしょうか。これはあくまで、日々多くのセラーさんの説明文を目にし、また自分自身がクレーム対応を重ねてきた中で感じる、一つの実感にすぎませんが、皆さんはどう感じるでしょうか。

まとめ

「すり替え防止対策店です」「ノークレームノーリターン」「クレームはご遠慮ください」といった防御的な一文は、ごく一部の困った相手を意識して書かれたものですが、実際にそれを目にするのは大多数の普通の購入者です。そもそもAmazonという仕組みそのものが「不満があれば返品を受け入れる」ことを前提に設計されており、しかも肝心の防御効果という点でも、曖昧な免責文言より具体的な記載のほうが実は強い、というのがAmazonの保証制度の実情でもあります。クレームを恐れて身構えるより、商品の状態を具体的に、誠実に伝えることに集中したほうが、結果的に多くの人にとって良い印象につながるはずです。

その「具体的に、ブレなく伝える」を仕組みで支えるのが、フリダムのコンディション自動生成です。状態ランクや欠品情報を選ぶだけで、感情的な予防線に頼らない、事実に基づいた説明文を一定の質で作成できます。防御的な言い回しに頼らずとも、正確な情報を、必要としている大多数の購入者へ届け続けられます。

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